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(とくになし) |
全世界が騒然した(という触れ込み)のTV Animation Series BLOODの発表。前作となる押井守監督劇場版BLOODは確かに世界で大ヒットしたそうで、このTVシリーズにも相応の期待が寄せられます、が。脳内にはその発表を兼ねた対談講演会にかの栗山千明嬢が来るということ、それが興味の8割を占めていたのであった……!!! 終始そんなノリのレポートですがよろしければ。[追記]講演とトークの内容だけ読みたいという方は下の目次からジャンプしてください
- http://d.hatena.ne.jp/zeroes/20050510#p3(たまとわさんのところでもレポートを公開されています/ウチより一言一句が正確ですので是非あわせてご覧になってください)
- http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050511/blood.htm(オフィシャルの情報としてAV Watchで記事が掲載されています)
- http://www.kyo-kan.net/(押井守/ProductionI.G情報サイトの野良犬の塒さんにもレポートがあります/他の項に関しても情報量が膨大ですので是非皆さんもどうぞ)
- このレポートをご紹介いただいたサイトさんにはindexと近況のコーナーでご紹介返ししております
『20050509 TV Series BLOOD Night』に行ってきましたよ
はるばる東大まで
そのハガキが届いたのは4月ももう終わろうかという日でした。『20050509 TV Series BLOOD Night』招待状。あの押井守と、かの栗山千明が東大で講演会を開くというちょっと話題のイベント。それに招待された。よし、大学はサボろう。
さて時間は流れて講演会当日。あらかじめ遅れてしまうのがわかっていたため、分単位の乗り換えスケジュール表と各乗換駅の構内地図を用意。開場の17:30にはどうあっても間に合わないけれども開演の18:00にはギリギリ間に合う時間調整。いろいろ頑張った甲斐もあって僕が乗った地下鉄が東大前駅のホームに入ったのは17:50。大丈夫、なんとか間に合います。歩を早めながらも安堵のため息をついた、その矢先。驚くべき光景が眼前に広がりました。ココはドコ? 東大は、広かったのです。
いい加減こんな前フリを繋げていてもラチが開かないので話を先へ進めますが、会場に辿り着くまでの道程をかいつまんで書きますと、走って迷いました。都内のど真ん中にあんなデカい敷地と建物は無用です。ウチの大学の面積と比べるとケタがひとつ違うクラスです。国の陰謀です。お金は国が出してくれるんです。まぁもちろんそうなんでしょうが。で、話を元に戻しますと、会場入りしたのは開演ギリギリの17:58でした。
人がゴミのようにいるのは仕様です
そんなこんなの騒動ですっかり写真撮影どころではありませんでした。予定では道行く人に東大の門とのツーショット写真を撮ってもらったりするはずだったんですが。狂った予定に頭を悩ませながら急いで人だかりの出来ている入場口へ。……人だかり? 今は開演2分前であって開場2分前ではありません。なのに、人だかり? このナゾはのちほど解けることになりますが、この時分でわかるはずもないのでなすすべなく人の波に押されて中へ。
中。そうここがかの有名な安田記念講堂。特に歴史やゆかりは知りませんが、名前ぐらいは知ってますよ、安田記念講堂。レトロなカンジを残しつつもハイカラな空気を醸し出す、そんなハイソな空間に……同じスメルを感じ取れる人々がゴミのようにすし詰め。文字通り、すし詰め。座るスペースなどなく、立ち見。ふかふかなシートにふんぞりかえっている方々の話から察するにどうやらこの人たちは東大生。外部招待の人間のスペースくらい確保しといてくださいよ!
時計が18:00を回って少し経ち。アドベンチャーした足に立ち見を追加徴税するというなかなか酷な仕打に、しかしなんとか慣れてきた矢先。出てきたのは司会役のTBSアナウンサー。ついに、講演会が始まりました。
やっと発表会のレポートに入ります
司会を務めるのはTBSアナウンサーの向井政夫さん。TBSラジオのアニメどんぶりという番組のMCだったそうですがラジオを聴かない僕にとってはにんともかんとも。向井さんが自己紹介を終えるともう一人の司会が呼ばれました。栗山千明嬢です! トップランナーでの発言がいちいち神懸かっていた、あの栗山千明嬢です! 神話にも出ていた、あの栗山千(以下エンドレス)。20メートルあるかというところにいるわけですが、デカい。向井アナより大きいんじゃないでしょうかね……。で、この栗山嬢。向井アナの好きなアニメは?との質問にエヴァンゲリオンとアキラ(とあと社交辞令気味にBLOOD)と回答。期待を裏切ってくれません。他にも『アニメは日本の文化』などなどのっけから飛ばしてくださっています。GOGO夕張さん、さすがです。
続いて紹介されたのが東大の原島教授。この人もなかなか面白いことをおっしゃってくれます。『入れる人数間違えました』。……この乗客者数200%超はあなたのしわざですか。続くハマの教授も『これだけの人は安田講堂史上例を見ない』などと驚きを隠せないご様子。そりゃ通路まで人が埋まってますからね……。
ついにあの人が登場
そんな軽妙なコントを繰り広げられるとアキハバラのそれと同じような熱気もいい具合にクールダウン。ここでいよいよ押井守監督のご登場となるのですが、そのまえにひとつ大事なことを書き忘れていました。先刻に司会の二人が現れる前にProductionI.Gを紹介するデモ映像が流れたのですがこれがまたカッコイイこと。今までの作品の寄せ集めブルースといいますか再編集してつなぎ合わせたものに音楽を入れるというありがちなREMIX映像ではあるのですが。サイバーな音楽と作品の構成が筆舌の逸品。使われた作品も攻殻機動隊&イノセンス、テイルズ系ひととおり、(最近の)サクラひととおり、サモンナイト2、パラッパ、Air/まごころを君に、ミニパト、果ては風の大陸やアキハバラ電脳組まで本当に毛色が違うものを選り取りみどり。よくもここまで頑張ってきたな……という同プロダクションの奮戦の歴史が垣間見えました。とりあえずこの映像(と音響装置)にゲームショウのイベント費用の倍くらいかけているのは間違いないものと思われます。まぁお金は国が出してくれてそうですし(なおこの公開講座は『東京大学大学院情報学環コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム』、つまり本当に文部科学省の助成を受けています)。ともあれ数100インチのコレット(アップ)が2回写ったこともあり大満足のデモ映像でした。
ひっぱりましたが、遂にあの方の登場です。ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴとJOJOばりの背景音を期待していましたが、ご本人のカラーどおりといいますか、地味にあっさりとご登場。日本が誇る稀代の映画監督、押井守御大です。一緒に連れ立って入ってきたのは石川光久ProductionI.G代表取締役。かたや天才クリエイター、かたや敏腕プロデューサー(でいいのかな)。見事に名を体で顕している風体でした。以下、この二人と浜野教授とのトークを抜粋して箇条書き。天才と呼ばれる方々の話はときおり凡人には解せない距離を飛躍してしまうので文章として再構成させるのは力不足でした……。
- 浜野教授、押井監督を立てる
- 浜野教授(以下、浜):今回この講演会を開いたのは日本でもスニークプレビュー(モニター試写会のことで海外では一般的)をやりたかったから
- 浜:押井監督は銃の扱いにかけては最高(ジェームズ・キャメロンも心酔しているとか)
- 劇場版BLOODの構想を語る
- 押井監督(以下、押):BLOODの構想はセーラー服と日本刀というアイディアが組み合わさって生まれた
- 押:↑はProductionI.Gの社内でゼミがあり、その中の押井塾と呼ばれるゼミの中から生まれたネタ
- 押:↑は合宿によりまとまった
- 押:↑は『鬼を斬るのは鬼だけ』『セーラー服という記号(アイコン)』という点が気に入った
- 押:↑は『ミスマッチ』『日本のアニメーションの技術でも(刀の表現が)難しい』という点が不安だった
- 浜:南青山で今ドイツの男性芸術家がセーラー服を着た展示をやっているがその芸術家いわく『(本来男性が身につけるものであるはずの)セーラー服というアイコンは日本で歪められてしまった』んだそう
- 浜:このセーラー服と刀の組み合わせはProductionI.Gの財産となりますよ
- 押:でも僕はセーラー服は嫌いだな
- キルビルvol.1のクエンティン・タランティーノ監督……
- 石川代表(以下、石):タランティーノが勝手にProductionI.GまでやってきてBLOODへの熱い思いを頼んでもいないのに何時間も語った
- 石:帰れというまで帰らなかった
- 石:しつこいうえにキルビルの脚本まで勝手に送りつけてきた
- 石:実写志向の押井監督に対してアニメ志向のタランティーノ監督という組み合わせが面白い
- 押:日本人の中のセーラー服という記号に勝てるか、それはおそらく外国人のタランティーノだからこそ勝ち得たのだろう
- 押:日本人監督だと十中八九スケバン刑事ができあがる
- いつのまにかまた劇場版BLOODの構想を語る
- 押:名前がカタカナ、髪の毛が黒くない、アニメに日本がない
- 押:横田基地を舞台にしたのは日本の中にあって日本ではないから
- 押:なおかつそこに日本人が日本刀をもって入り込むのがイイ
- 石:横田基地に決まったのはそのときゼミでおこなっていた企画合宿のとき
- 石:僕(石井代表)が眠くてしょうがなく、早く押井監督に寝かせてほしかったから僕が決めた
- 石:ただ単にスタッフの一人の出身地のそばという理由であり、日本にあって〜というのはあとづけの理由
- 石:押井監督はあとづけがうまい
- 浜:そういえばBLOODは押井監督の作品にしてはわかりやすかったね
- 押:(ニラミ)
- 実写……実写……実写。
- 押:ミニパトは実写で撮ってもいい(写真に割り箸をさす)
- 押:アニメーターと顔あわせなくていいから気がラク
- 押:作画待ちの時間もないし
- 押:今作ってる作品は“立ち食い師”をテーマにしている
- 押:実写で作っているが、作画がない分監督の仕事が増えて忙しい
- 押:今年はこれ一本かな
- 石:映画というのは誰もが見たいと思うから存在する、が、この“立食師列伝”は誰も見たくない映画かもしれない……からこそイイ
少々聴き取り辛い箇所がありましたので前後関係にズレがあるかもしれませんが大筋では間違っていない……ハズです。他の雑誌でのインタビューなどと言っていることの趣旨が違っていたらごめんなさい。きっと聞き間違いか解釈のミスです。
いよいよ次はTV Animation Series BLOOD(仮)です!
BLOOD+(プラス)、はじまります
TV Animation Series BLOOD(仮) ⇒ BLOOD+(プラス)
と、その前に幕間として有名チェリスト古川展生さんによるチェロの演奏が。曲目はパープルヘイズ。チェロでパープルヘイズ……。もちろん腕前は一流の名に恥じないものでした。素晴らしい!
と、やっぱりその前にまた幕間映像。劇場版BLOODのダイジェスト編集版を10分ほど。いろいろなモノが飛び散りましたのでまわりのお客さん(なんと驚くべきことに7:3くらいで女性のほうが多かったです……駄文同盟.comと同じ比率ですね)も引くかな……と思いきや、そのあたりはまったく心配ありませんでした。皆さんお強いんですね。 迫力のダイジェスト映像が終わると本当にいよいよTV Animation Series BLOODの映像が! バン(というようなカンジ)! 正式名称はBLOOD+(プラス)で放送はTBS(日)18:00〜で10月から。……両隣の女性が『んだよ種死打ち切りじゃねぇのかよ』『良かったですぅっ……』とリアルつぶやきしていて東大の懐の深さに感動。是非ウチの大学にも欲しい人材……!!
スタッフの方の自我自賛映像(失礼)が流れたのち映像に出演していたご本人たちが登場。メディア用に撮った映像の使いまわしなんでしょうけれども、どうせならこの場で喋ってくださいよ……。登場したのはハガレンで大儲けしたアニプレックスの方(名前は失念)と毎日放送のアニメ部門の偉い人竹田さん、そしてBLOOD+(正式決定名称)の監督の藤咲さん。ちなみにさきほどの映像では……
- アニプレ(以下、ア):ハリウッドをねらえる作品
- 竹田さん(以下、竹):鋼(の錬金術師)、ガンダムSEEDと続いてきた戦争モノに区切りをつける作品、未体験ゾーン、ありえないなんてありえない(そこまでは言ってません)モノを作りたい
- 藤咲監督(以下、藤):今までにないチャレンジ
と意気込まれているようです。
BLOOD+最新情報(既に数日前からリークされてましたが)
キャラクターデザインを箸井地図さん(ご本人の公式HP『適当企画』ver.2)に据えて前作までの近づきがたい主人公“小夜”のイメージを転換、一気に萌え(と安易に言うのもアレですが)キャラに落ち着きました。舞台は現代の沖縄(劇場版は1966年の横田基地)。一年以上前の記憶を失っている音無小夜はある日青年チェリストのハジと出会ったことで壮大な運命に巻き込まれるのであった。みたいな。まぁここまでは既報ですがいくつかわかった点もチラホラ。以下、トークの内容を抜粋。
- BLOOD+最新情報が飛び出した……のか?
- ?(失念):舞台を現代の沖縄(劇場版は1966年の横田基地)に転換したことでワールドワイドに訴えかけられるのでは。話としても世界を股にかけたロードムービーになる
- ア:ビデオマーケットへの進出(劇場版は世界で50万本売れたんだとか)、UMDでのリリース(他にも各種新参メディアでのコンテンツ発信を検討)、そして海外展開を念頭においている
- ア:うまく再びの映画化、そして実写化となれば藤咲監督もアカデミー賞をとれるかもしれませんね
- 石:小夜の刀の刃もとのところが歪んでいるのには大きな意味があります
- 藤:戦争をストレートに描く、ただし戦闘はナシで
- BLOOD+のテーマ曲
- ?:テーマ曲はさきほど演奏いただいた古川展生さんによるバッハ作無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調プレリュードとなります(実際に演奏がありましたが激しさの中に悲哀がこもっている、という印象の曲でした)
- 栗山千明:(演奏が終わったあと向井アナに感想を求められて)最近のアニメはクラシック曲をテーマとして用いることが多くなってきているので自然と(クラシックを)聴くようになった
- 向:(すかさず)そうですね、忘却の旋律とか
- 会場:(微妙な笑い)
- BLOOD+の命名の由来
- 石:BLOODのままでも良かったが商標の問題から断念、なにか良い名前はないかと思案していたところ思いついた
- 石:ひとつは刀のツバの部分のカタチとしての“+”
- 石:ひたつはタテ軸(時間)と横軸(血と金)のかかわり
- 石:みっつには赤字にしてはいけないという意気込み(“+”は黒字の“+”)
- 石:そういえば、血と金(経済)というのは大きなキーワードになりますよ
- 角川書店の人による3誌同時コミックス展開のお話
- 月刊少年エース9月号にて新進気鋭の女性漫画家・桂明日香によるコミックス連載開始(本編に沿った内容) ⇒桂明日香さんの公式HP『ad lib[アドリブ]』 ⇒少年エース公式HP『web KADOKAWA 少年エース』
- 月刊少年エース増刊(ファンタジー系)ビーンズエース創刊号(7月発売)にてスエカネクミコ(逆転裁判のキャラデザの人)によるコミックス連載開始(TV版の背景となるロシア革命前夜の話) ⇒(どちらも検索件数0件)
- CIEL9月号にて如月弘鷹によるコミックス連載開始(もうひとりの主人公ハジをメインにした内容) ⇒如月弘鷹さんの公式HP『VERT INFORMATION』 ⇒シエルCIEL公式HP『web KADOKAWA CIEL』
- 角川さん:えーとCIELというのは少女漫画ボーイズラブ(凄く強調)誌ですが、まぁ何故そこでの連載になったかはご推察にお任せします
- [追記]:Watch入りした記事によるとライトノベルでの展開も予定しているんだとか
- (藤咲監督が第一期生である)押井ゼミってどう?
- ?(おそらく浜か石):弟子(藤咲監督)が師匠をどう超えるか楽しみ。攻殻機動隊では弟子の勝ちだったからね
- 押:(ゼミの中でよい師匠かという質問に対し)僕は良い師匠じゃない
- 押:授業料もらっているのではなくむしろ給料を与えているのだから出した課題をやってこないヤツには帰ってもらう
- 石:アニメーターはボロ雑巾のように扱われるがせっかくProductionI.Gにいるのだから押井監督にプレゼンを見せる機会を与えることが宝になる
- 押:それはA面(表向き)の発想であって僕のB面の発想としては単にお金をかけたくなかったからゼミというシステムがあるのだと
- 押:週1回3時間を就労時間の中に取り入れてやっているが、これは画期的なことだと思う
えーと。ハジっていうのはもうストレートにカッコイイ兄ちゃんなのですが。で、この如月弘鷹さんというのがもの凄く絵の上手い方なので、どうなることやら。
と、そんなこんなでアニメのパネルディスカッションは終了ー。残る時間は大学っぽい授業ということでテーマは“アニメのなかの戦争”。
このお三方だと話の収拾がつかない
講演に参加するのは毎日放送の竹田さんと藤咲監督と押井監督のお三方。以下、簡単に抜粋します(実際のトークは非常に長かったので文意を損なわない範囲での抜粋とします)。
- 毎日放送・竹田さんにとっての“アニメのなかの戦争”
- 元々は報道畑にいて湾岸戦争のときちょうど報道を担当していた
- そこで感じたいろいろな思いからアニメーションで戦争の中を生きる人間を描きたい
- 血を流すのは作品の流れとして存在するのならまったく構わない
- ものすごくクレームがきていますが(SEED2作で)、それでもしょうがない
- 1話だけ切り取るのではなく50話全体として(=っていうことは4クールですか)見て判断して欲しい
- あの時間帯だからこそ(子供が見る時間帯)放映に意味がある
- BLOOD+監督・藤咲監督にとっての“アニメのなかの戦争”
- 今まで30数年生きてきて真正面から戦争と向き合ったことがなかった
- 戦争を真正面から描きたくて沖縄を舞台にした
- 上のほうから(広い視野で?)見下ろして描いていきたい
- BLOOD+企画協力・押井監督にとっての“アニメのなかの戦争”
- ベトナム戦争が僕の戦争の原点
- ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争と情報の量が莫大に増え、人々の戦争の見方という者が変わってきた
- 戦争自体は変わっていないが人間が変わってきている
- これからは内戦やテロが戦争になってくる、なってきている
- 攻殻機動隊2nd GIGでも内戦がテーマになっているように、おそらくこのBLOOD+もテロが主題となってくるのではないか
- [追記]Watchの記事によると以下の“アニメだけが戦争を描いてきた”というくだりの発言は富野由悠季氏の言を引用したもの(押井監督が“とみの”ではなく“みやの(富野由悠季の別ペンネーム)”とおっしゃってたため知らない人だと勘違いしていました)。一応参考までに。
- 日本は戦争に負けて以来、戦争を描いた映画を作ってこなかった
- だがアニメだけはSFではあるけれども戦争を描いてきた
- それはSFだからこそ(相手が宇宙人だからこそ)妙な意識や呪縛(反戦のメッセージをこめる、史実を忠実に描く)がないため
- 果たしてこれから高校生の日常にどうやって戦争をいれるか?
- 戦争の良い悪いを抜きにしないと語れない部分もある
……なんだか一気に大学っぽくなりましたなぁ……。一応日本の最高学府の最奥部で行っているわけですから、当然の成り行きなんでしょうが。このあたりで栗山嬢のコメントをはさんでいただきたいところでした。きっと素晴らしい緩衝材になるのではと期待していましたが。
講演は終わり、質疑応答の時間へ……だが時間がない!
- 質疑応答・Q1.(質問の内容が僕には理解できませんでした)
- 押:えーと……(以下10分独壇場)
- 浜:それではこのあたりで残念ですが時間が圧していますので最後の質問へ……
- 質疑応答・Q2.作り手の意図は世界に伝わっていると思いますか?
- 竹:あるロボット戦争アニメはフィリピンで国の圧力によりアニメ放映中止となりました、つまり海外の人にも伝わるところは伝わっているのです
- 押:僕の映画はきっと伝わってないだろうけど(苦笑)、作り手の意図が伝わっているかなんてわかるわけがない。ただ人間は実は好戦性なんだなどという無意識の部分では伝わっているはずだ
- 押:日本のアニメはよく好戦的だなと海外の人に言われますが、そう思ってくれたほうがいい。日本人は危険なんだと思わせてやったほうがいい
- 押:日本は軍を持ってはいけない、危ないし、何より戦争がヘタだから
- 押:人間の中で娯楽として変わらないのは戦争とセックスだけ
- 藤:(忘れてしまいました……すいません)
しかし最後って2問目で最後ですか! まぁ30分オーバーしているから仕方ないんでしょうが……それでも僕は、僕は『BLOOD+の小夜とハジは明らかに萌えだのボブだのというのを狙っているとお見受けしますが、戦争に萌えは必要ですか?』と、質問したかったのに! 空気読めと周りからそしられても質問したかったのに! 質問あててるのは全部(1問目と2問目)2列目のVIP席に座ってる東大坊やだけじゃないですか(言いがかり)!!!
さいごに
さいごに向井アナと栗山千明嬢が出てきて……軽くトークして終了。栗山嬢ははじめての司会だったということで緊張していたようですが、それもそれでまた乙(……。)。このBLOOD+は声優が未決定だからあとでウラで話しつけてきなよと言う向井アナに対してまんざらでもなさそうな、栗山嬢でした。……これはもうcv栗山ということで決定とみて良いんですよね?
割れんばかりの拍手(なんせ観客動員率200%ですから)のなか閉幕。講演場から出口まで延々と並びましたがメインの廊下の突き当たりにタランティーノからの花が! タランティーノ……やってくれるぜ。
さて記念品はクリアファイル。もらうときに2枚重なっていたので2枚お持ち帰り。返そうかなとも思いましたが、数もありそうですしなによりあの立ち見は辛かったですから。暑かったですから。……いただいていきます。
今回のこの講演会の感想を一言でまとめようと思います。 最初のデモムービーがめっさかっこよかった!!! あとはそうですね、栗山嬢ですか。それとBLOOD+、あんな時間帯じゃ見れません。深夜帯に再放送する方向で。忌まわしき野球中継もない時期ですからエウレカセブンの二の舞にはなりますまい。……でも途中で監督、50本やる、って言ってたなぁ……。長丁場の様相を呈していますな。なんにせよ期待は大いにしていいデキだということには間違いありません。じゃ、オチもついたところでこのあたりで。失礼いたいます。